研究課題/領域番号 |
22611001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
洞口 正之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (20172075)
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キーワード | 放射線 / 医療 / 福祉 / 循環器 / IVR |
研究概要 |
本年度は、主にX線シンチレータの更なる探索、X線シンチレータの「一時的劣化と回復現象」について、そしてX線シンチレータの固型化について研究を進めた。 1.X線シンチレータの探索(洞口、千田、中村) 前年の基礎検討結果を踏まえて、さらに有用性のあるシンチレータを探索検討した。イットリウム系の蛍光体の他に、バナフォス系蛍光体とジャーマネイト系蛍光体について、感度、エネルギー特性、発光波長などを測定した。新たに種々の粒子径の各種シンチレータを用いて、詳細に測定評価を行った。さらに実際の診療用X線装置を使用して、X線透視およびX線撮影を行い、総合的に評価し最適なX線シンチレータを探索した。そして、粒子径を大きくしたX線シンチレータの有用性を確認した。 2.X線シンチレータの「一時的劣化と回復現象」(洞口、千田、中村) 上記の検討結果から、「一時的劣化と再結合による回復」現象を示す興味深い特徴をもつX線シンチレータが存在することが分った。診断領域X線エネルギにおいて、この現象を示すシンチレータを発見したのは、我々の知る限りでは世界初であると思われる。次年度も検討を続け、この現象の解明等を行いたい。 3.X線シンチレータの固型化(洞口、千田、中村) 粉末状のシンチレータを、防爆型乾燥機を使用しないで固形化する方法を考案した。この方法により、再現良く、高精度にX線シンチレータを固型化でき、検出部を量産することが可能になった。 〔連携研究者〕 東北大学・医学系研究科・教授・千田浩一・X線透視撮影装置における検出部の特性評価実験などを担当 〔研究協力者〕 三菱化学株式会社・スクリーン部・部長・中村正明・シンチレータの探索検討と固型化などを担当警
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・大震災の影響によって達成度はやや遅れている(粉末状シンチレータを充填していた多数のバイアル容器が震災で破損し使用不能となったため)。
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今後の研究の推進方策 |
・新たに発見した現象(一時的劣化と再結合による回復現象)について、さらに基礎研究を進め、原因の解明等を優先的に検討したい。 ・X線シンチレータと光ファイバとフォトダイオートを用いたリアルタイム線量計の開発も同時並行で進めたい。そして開発した線量計の基本特性の詳細な比較評価研究を推進する予定である。
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