研究概要 |
MRIを用いた血管撮影(Magnetic Resonance Angiography:MRA)の画像データを対象として,コンピュータ支援診断の手法を用いて脳動脈の形状解析を行い,動脈硬化のバイオマーカーとしての可能性を検討した。パイロットデータ10例を用いて,多値モルフォロジ処理による内頸動脈サイフォンの血管形状解析を行い,正常群と動脈硬化群で有意差が認められる特徴量を求め,shape regularity index of vessel(SRIV)と定義した。引き続き,51例のMRA画像データを用いてSRIVの検証を行った。視覚的評価により血管形状をGrade0(不整なし),Grade1(軽度の不整),Grade2(高度の不整)の3群に分類してSRIVの比較を行ったところ,Grade0-2間,Grade1-2間で有意差が認められた。今回求めたSRIVは,血管形状の視覚的評価との間にある程度の相関を示しており,血管形状の客観的な指標となりうると考えられた。
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