研究課題/領域番号 |
22611008
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉川 卓司 新潟大学, 研究推進機構アイソトープ総合センター, 准教授 (60282985)
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研究分担者 |
川崎 健夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00323999)
後藤 淳 新潟大学, 研究推進機構アイソトープ総合センター, 助教 (90370395)
長坂 康史 広島工業大学, 情報学部, 教授 (20299655)
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キーワード | 放射線 / 画像診断 / 陽子線 |
研究概要 |
本研究では陽子線による小型CT画像撮影装置の開発研究を行い、人用の陽子線CT装置の実現に向けた基礎的データを得ることを目的としている。 本年度は、装置の改良と人サイズのファントム撮像のコンピューターシミュレーションをおこなった。より高いエネルギーの陽子線のエネルギーを測定出来るようにNaI(T1)シンチレーターのサイズをこれまで使っていた2インチの物から3インチに変更、昨年度のビーム実験で測定の妨げとなっていると判明したノイズの軽減のためのシールドを施すなど、装置の改良を行った。そのほか、撮影時間の短縮のために、高速のDAQボードに変更を行っているところである。 コンピューターシミュレーションでは、人体程度の大きさ(20x20x20cm)の筋等価材料の一部に骨等価材料(1x1x20cm)を埋め込んだファントムに、235MeV陽子線を打ち込むという体系で行った。本申請課題はファントム上流と下流の粒子軌跡の測定を行う事を一つの特徴としているが、この方法をとることにより無駄になる粒子が非常に少なくなる事が分かった。例えば、上流側と下流側の交点を散乱点と仮定する方法と、直進ビームのみを有効とする場合では、有効な粒子は100倍以上となり、本申請課題の方法の優位性が確認された。 昨年度にビーム実験を行った国立がんセンター陽子線治療装置の利用が震災影響その他の要因によりできなくなったため、急遽、放射線医学総合研究所のHIMACの利用申請を行った。平成23年度のビーム実験は叶わなかったが、平成24年度課題として採択されたので、現在HIMACでのビーム実験に向けて準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
加速器を用いたビーム実験が必須であるが、これまで使用させてもらっていた国立がんセンター陽子線治療装置が震災影響その他の要因により利用できず、実際の測定データを得ることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
加速器利用については、放射線医学総合研究所のHIMACの利用が認められたため、幾らかのビーム実験は可能となった。しかしながら、利用時間はかなり制限されているため、その他の加速器施設の利用も申請して実験の機会を増やす予定である。
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