マンモグラフィにおいて被写体の厚さごとに最適な管電圧を求めた。最適な管電圧とは、被曝線量(平均乳腺線量)を一定にして最も信号対雑音比(SNR)が高い条件とした。実際にはSNRの自乗の出力である雑音等価量子数(NEQ)とSNRの自乗の伝達特性である検出量子効率(DQE)を指標とした。その結果、被写体が厚くなるほど高い管電圧での撮影が優位となった。この結果はSPIE2011でYamadaが発表した。物理的な画像評価指数と実際の視覚による像の見え方の比較を行なった。物理的な評価法として信号対雑音比(SNR)を求めたが、種々の信号と雑音れべrにおいて、一般的な信号の振幅と雑音の標準偏差のみのSNRは視覚の結果(信号の検出率)と一致しなかった、信号と雑音の周波数特性であるMTFとWiener spectrumと視覚の特性である視覚のレスポンス関数と目と脳の間の内部雑音を含めたSNRは視覚による検出率とよく一致した。また、信号帯域で雑音の周波数特性を制御するマッチドフィルタも視覚特性とよく一致した。この結果はSPIE2011でHayashiが発表した。モニタ画像の解析については、液晶ディスプレイ(LCD)装置による表示画像の縮小画像の解像特性、雑音特性を求めた。これらの結果はSPIE2011でKimuraが発表した。また、モニタによる縮小画像の視覚評価はHoriiがSPIE2011で発表した。歯科領域におけるコーンビームCTによる動画像の画質評価と動画像としての評価を行なった。歯科特有のモード設定があり、モードにより解像特性が異なった。また、粒状性については、モードごとの評価は可能であったが、ディジタル値が相対値であることから、モード間の比較を行うことはできなかった。動画としては臨床的に用いることは可能と判断した。これらの結果はSPIE2011でItoが発表した。
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