研究課題/領域番号 |
22611010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小寺 吉衞 名古屋大学, 医学部, 教授 (10124794)
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キーワード | 情報工学 / 放射線 / 画像・文章・音声等認識 / ディスプレイ |
研究概要 |
モニタ画像の解析については、前年度に液晶ディスプレイ(LCD)装置による表示画像の縮小画像の解像特性、雑音特性を求めた。また、モニタによる縮小画像の視覚評価についても報告した。今年度はさらに、縮小画像の理論的な解析をYamazakiが行なった。それによると、モニタでの縮小によりエリアシングエラーが生じ、それが結果に影響していることが分かった。この結果はRSNA2012でYamazakiが発表した。また、金沢大学の市川らと共同開発し、東京特殊電線で商品化したサブピクセル独立駆動(SID)による超高解像モニタ(2011年特許取得:2006年特許申請)を用いた場合、粒状性が解像度のよくなる方向のみでなくその直角方向でも良くなることを示した。この結果もYamazakiによりRSNA2011で発表した。最近のモニタ診断あるいは表示法の一つに三次元モニタ表示がある。これは視差のある2枚の画像を左右の目で見ることで脳で三次元構築を行なっている。この三次元表示の深さ方向の分解能を調べた。この結果は2012年7月にイタリアのピサで開催されるCARS(Computer Assisted Radiology and Surgery)で発表する(発表確定)。歯科領域におけるコーンビームCTによる動画像の画質評価と動画像としての評価を前年度行なった。今年度は、コーンビームCTで撮影した歯牙の画像の三次元表示をより明瞭に行うことを目的として研究した。その結果、市販のモデルでの三次元再構成関数よりも高鮮鋭の関数を用いることにより、歯牙と顎骨の分離が良くなり、明瞭な三次元画像を作成することが可能になった。この結についても2012年7月にイタリアのピサで開催されるCARS (Computer Assisted Radiology and Surgery)で発表する(発表確定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、初年度に購入予定であった特注のファントムが、技術的な問題で制作が難しいということが分かり、作成を2年目に持ち越したが、最終的に制作できないことが判明し発注を中止した。この代替え品として、米国製の乳房ファントムを購入し実験を継続した。このため、計画に若干の遅れが出たが、現在は予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に加えて、三次元(3D)モニタの解析を行う。三次元的な奥行の解析と、両眼視することによる粒状性の向上を定量的に評価することを試みる。また、マンモグラフィにおいて干渉型移送コントラスト画像の得られる装置の画質特性の解析を行う。さらには、フォトンカウンティング技術を用いてマンモグラフィの被曝線量低減の可能性についての研究を行う。
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