研究概要 |
本研究では,過去に経験豊富な治療計画者によって計画された類似症例に基づき,ビーム方向を決定する放射線治療計画支援システムの開発を行った.第一に,画像特徴量に基づき,対象症例と類似した症例を,81 症例の治療計画データベースの中から自動的に検索した.第二に,線形レジストレーション法に基づき,類似症例のビーム方向を対象症例に合わせて変形させた.提案手法を,肺定位放射線治療によって治療された肺癌患者10症例に適応し,D95や肺の平均線量等の8種類の線量評価指標を用いて評価を行った.提案手法を用いて作成されたプランと,放射線腫瘍医が手動で作成したプランの線量評価指標を比較した結果,全ての線量評価指標において有意差がないことを確認できた(p>0.05).したがって,提案手法を経験の浅い治療計画者の教育用ツールとして使用できる可能性を示した.
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