研究課題/領域番号 |
22611018
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福地 知則 独立行政法人理化学研究所, 複数分子イメージング研究チーム, 研究員 (40376546)
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キーワード | 医療用イメージング装置 / ガンマ線レンズ |
研究概要 |
ガンマ線レンズを用いた医療用イメージング装置高度化のための基礎研究として、平成23年度はガンマ線レンズを用いた医療用イメージング装置のデザインとその検証を行った。現在の医療用イメージングにおいて未だ実現していない、望まれるものの一つとして、生体深部でのプローブ分布をミクロなスケールで可視化する装置がある。現在、ミクロなスケールでのプローブ分布を可視化する装置として蛍光イメージングなどがあるが、蛍光の物質透過力が小さいため、深部のイメージングは困難である。深部のイメージングを実現するためには、透過力の高い波長の短い光(X線、ガンマ線等)を使用する必要がある。したがって、本研究で検討するガンマ線レンズの医療用イメージング装置への応用として、ガンマ線プローブによりミクロな分布を可視化する装置の構築がもっとも有益であると考えた。そこで、幾何学的考察およびモンテカルロ・シミュレーションを行い、この様な装置を実現さるためには、宇宙線観測用にデザインされたガンマ線レンズとは異なる構成を必要とすることがわかった。これは、宇宙線観測においては、無限遠方から飛来するガンマ線を観測するため平行ビームとして、これを集光するフォーカス型の配置を必要とするのに対して、前述の目的の医療用イメージング装置では、ガンマ線放出位置の違いを強調する必要があり、これにはデフォーカス型の配置が必要となる。また、シミュレーションにより精度の高い評価を行うためには、ガンマ線構成要素単体のガンマ線反射率を精確に知る必要があるが、そのためには放射光等の強度の高い単色ガンマ線による実験が必要であることがわかった。したがって、このような実験結果をシミュレーションに組み込んだ詳細な装置検討を平成24年度の課題とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題であるガンマ線レンズの医学応用について、詳細な検討は継続中であるものの、その利用形態と装置コンセプトは考案するに至っている。そのため、今後はコンセプトにしたがって、その詳細を検討することのみが課題となったため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題であるガンマ線レンズの医学応用について、これを応用した装置のコンセプトを考案するに至った。今後は、この装置コンセプトにしたがって、シミュレーションおよび実測により詳細を検討し、性能評価と実際の利用法について検討し、装置構築のための道筋をつくる。
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