研究課題
Clostridum cellulovoransは、セルロソームと呼ばれる骨格タンパク質をベースに、多数のセルラーゼやヘミセルラーゼなどの多糖分解酵素が結合した酵素複合体を形成し、効率よくセルロース系バイオマスを分解することができる。本菌ゲノム解析の結果、セルロソームを構成できる4種類の骨格タンパク質遺伝子CbpA、HbpA、CbpRおよびCbpCを確認した。CbPBとCbpCは新規遺伝子であり、CBM、SLH、コヘシンの3bpのドメインから構成されている。初年度は、CbpBとCbpC遺伝子をサブクローニングして組換えタンパク質を作製し、元菌におけるタンパク質レベルでの発現解析を行った。CbpBとCbpC遺伝子をゲノムからサブクローニングを行い、発現ベクターpET-22b(+)に組み込んだ。構築したプラスミドを大腸菌BL21L(DE3)株に形質転換し、組換えタンパク質を作製した。CbpBは1つのCBM、SLH、コヘシンから構成されるので、結晶性セルロースであるAvicelを用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製し、さらにイオン交換クロマトグラフィーによって、SDS-PAGEで単一バンドになるまで精製を行った。さらに、組換えCbpBに対する抗体を作製し、ウェスタンブロット法によるCbDBの検出を行った。その結果、培養上清からCbDBが検出された.以下の結果から、C. cellulovoransはChDAを含む巨大なセルロソームを構築するだけなく、1種類のサブユニットを塔載できるCbDBによるセルロソームを発現することが示唆された.次年度は、これらのセルロソーム骨格タンパク質をブタノール生産菌であるClostridium acetobutyllcumに導入する予定である。
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