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2010 年度 実績報告書

湿式酸化によるN、P循環型バイオエタノール発酵システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22612005
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

柳田 高志  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 産総研特別研究員 (40535168)

研究分担者 松村 幸彦  広島大学, 工学研究科, 教授 (80251370)
藤本 真司  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 研究員 (40415740)
キーワード湿式酸化 / リン / リサイクル / 酵母 / バイオエタノール / バイオマス
研究概要

近年、バイオエタノールに関する研究が活発に進められている。バイオエタノール生産を実現させるためには、製品エタノールが化石燃料に対して価格競争力を持つこと、生産システムが持続可能であること、CO_2削減効果を有することが重要である。本研究は、持続可能性の観点からバイオエタノール生産の発酵工程における資源循環を検討するものである。バイオエタノールの製造では、発酵微生物の生産は不可欠な工程であり、この微生物の生産工程では、菌体増殖に必要な窒素、リン、カリウム等の栄養素が投入されるが、一般的には、これらの栄養素はプロセス後段で回収されることなく、系外に排出されている。発酵後の菌体と発酵前の菌体の組成は基本的に同じであり、循環利用は可能である。ただし、循環させるためには、どのように栄養素を回収するかを検討する必要がある。廃酵母は水分を多く含むため燃焼して栄養素を回収することは難しい。そこで、湿式酸化法の適用を検討することとした。湿式酸化は水中燃焼法とも呼ばれ、高温高圧条件下で酸素と反応させ、有機物を分解する技術であるため、無機物の回収は可能である。廃酵母の湿式酸化処理物は、基本的に酵母菌体の成長に必要な栄養元素を満たしている。この湿式酸化処理物を利用し、酵母を生産することができれば、循環型の発酵システムを構築できる。本研究では、バイオエタノール生産の発酵工程において湿式酸化工程を導入したリン、カリウム循環型の発酵システムの検討を行った。その結果、湿式酸化工程の導入は生産されるエタノールの発熱量の2.3%相当のプロセスエネルギーで十分にリン、カリウムを回収できると試算された。また、基質消費量の削減による経済性向上は大きく、湿式酸化工程導入の経済的優位性が明らかとなった。とくに、リンは近い将来に枯渇すると言われている貴重な資源であり、使用量の削減は重要である。さらに、リンは水質汚濁防止法の項目に挙げられているものであり、廃水処理の負荷を減らすことには着目するべきである。現状としてあまり関心の払われていない廃棄物および廃水処理に関する問題はいずれ顕在化するのは明らかであり、本提案プロセスはこの意味で極めて有効なプロセスと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Proposal for Bioethanol Fermentation System with N, P, K Recycling by Wet Oxidation2011

    • 著者名/発表者名
      柳田高志、松村幸彦
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Petroleum Institute

      巻: 54 ページ: 45-49

    • 査読あり
  • [学会発表] バイオエタノール生産の酵母培養における湿式酸化法N,P,K循環システムの評価2011

    • 著者名/発表者名
      柳田高志、山下泰直、松村幸彦
    • 学会等名
      第6回バイオマス科学会議(日本エネルギー学会)
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2011-01-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.jstage.jst.go.jp/article/jpi/54/1/45/_pdf/-char/ja/

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公開日: 2012-07-19  

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