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2013 年度 実績報告書

障がいと教育・就労・健康の不平等に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22614002
研究機関埼玉大学

研究代表者

関 由起子  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30342687)

研究分担者 高山 智子  独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
八巻 知香子  独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 室長 (60392205)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード慢性疾患 / 病弱教育 / 就労支援 / 教育格差 / 多職種連携
研究概要

(1)こどもの障害と教育に関する研究 (質的研究):学校関係者(養護教諭)、慢性疾患の子どもの親への調査結果を質的に分析し、学校現場における病気の開示について検討した。親が学校に病名を開示できない理由には、入学拒否や様々な差別への不安があり、その対策として、①全く病名を開示せずに秘密裏に対処する、②病名など一部のみ開示し、病気への対処は全て家庭で行うことを約束して受け入れてもらう、③私立等の安心して受け入れてもらえる学校に入学させ、全て開示するの3パターンが見られた。しかし、学校側に開示していない情報があることにより、病気への対処が遅れる、体育や課外活動のみならず、授業への遅れにも特別な配慮が得られず、身体のみならず学業にも影響を及ぼしていた。
(2)健康、就労、教育における格差問題に関する文献・調査研究:海外(スウェーデン)における病気をもつ子どもへの教育および就労支援に関して、参与観察及び文献研究を行った。その結果、小児の特性をとらえ、小児の生活を支える様々なサービス(福祉、学校教育機能、家族支援、家族が丸ごと病院に滞在できるシステム)を提供できるシステムが存在する点、病気の子どもを含む家族丸ごとが支援の対象である点、病気の子どもを取り巻く人的資源が整っており、連携が機能している点が、日本と大きく異なっていた。
(3)成果発表:日本健康教育学会、医療の質・安全学会学術集会、日本癌治療学会学術集会での学会発表、日本保健医療社会学論集での論文発表の他、小児がん患者支援団体での講演、現職養護教諭向けの公開講座での講義、所属大学内での報告会等にて、成果発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の成果の学会発表、講演会等での社会貢献での発表は順調に行えている。最終年度は主に論文作成に力を入れ、成果のまとめおよび発表を行っていく。

今後の研究の推進方策

本研究の成果をまとめ、論文、学会発表での成果発表を積極的に行う。また、分担研究者と連携研究者と密に連絡を取り、研究会を開催するなどを行い、本研究の進捗状況、成果を検討しつつ、最終年度で行うべき課題を整理し、分担、まとめを行う。
問題点としては、実習引率が非常に多く、研究に専念できる時間が細切れにしか取れない点がある。夏期中も免許状更新講習や公開講座、実習引率、入試等で、集中してデータの集中や分析が行えない状況にある。再度事務作業の分担について、再度大学側に働き掛ける予定である。また、他分野で活動する実践者等との共同研究も視野に入れて、データの分析を効率的に行うことを検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 障害者の当事者性と支援者の専門性を考える2014

    • 著者名/発表者名
      八巻知香子
    • 雑誌名

      保健医療社会学会論集

      巻: 24 ページ: 13-18

  • [学会発表] 医療専門機関と点字図書館との連携による情報弱者へのが ん情報提供の試み2013

    • 著者名/発表者名
      八巻知香子, 高山智子, 渡邊清高, 櫻井雅代, 澤 井映美, 若尾文彦, 岩 井 和彦, 高橋三智世.
    • 学会等名
      第8回 医療の質・安全学会学術集会
    • 発表場所
      東京都江東区ビックサイトTFTホール
    • 年月日
      20131123-20131124
  • [学会発表] がん相談支援センターにおける相談の質の向上プログラムの開発2013

    • 著者名/発表者名
      八巻知香子, 高山智子, 清水奈緒美, 橋本久美子, 大石美穂, 関由起子, 小 郷祐子.
    • 学会等名
      第 51回日本癌治療学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20131024-20131026
  • [学会発表] 小児がん患者等の多職種協働による生活支援実践に関する支援システム分析2013

    • 著者名/発表者名
      柿沼 章子, 久地井 寿哉, 関 由紀子, 小俣 智子, 西牧 謙吾, 大平 勝美
    • 学会等名
      第22回日本健康教育学会学術大会
    • 発表場所
      千葉大学西千葉キャンパス
    • 年月日
      20130622-20130623

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公開日: 2015-05-28  

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