研究課題/領域番号 |
22614009
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
綾部 広則 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (80313211)
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研究分担者 |
吉岡 斉 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (30174890)
溝口 元 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (80174051)
塚原 修一 国立教育政策研究所, その他部局等, その他 (00155334)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 知識基盤社会 / 専門的・技術的 / 雇用 / 労働 |
研究概要 |
昨年度までの成果は主として通時的視点に軸足を置いていることもあって、共時的視点から専門的・技術的職業従事者の実態を解明するという志向性にやや欠けるという問題があった。そこで本年度は、聞き取りに重点を置くことで昨年度に積み残された課題の解決にあたった。 具体的には、構造変化が激しいと思しき編集者・写真家・研究マネジメント関連業務従事者の3業種に絞って聞き取り調査を実施した。その結果、いずれの業種においても2000年前後を境にそれまでとは違った雇用・労働環境が発生していること、特に編集・写真関連の業務においては、情報通信技術の発展がそれらの雇用・労働環境の変化に著しく影響を与え、場合によっては仕事全体における役割が変化しているという事実であった。さらに資格制度との関連でいえば、資格制度が必ずしも雇用・労働において優位に働いているとはいえず、資格を有せずともスキルや基本的能力があれば、雇用・労働環境の変化に柔軟に対処可能であるという事実であった。なお、今回重点的に聞き取りを行った対象者のなかには、雇用・労働環境の変化に比較的うまく対応できたいわば転職の成功例もあったが、それらにしても概して類似の職種間の異動であり、畑違いの業種に異動したわけではなく、また非正規雇用という雇用不安を抱えていることを付言しておきたい。 今回は、時間の制約上、調査対象・範囲を絞ったこともあって、上記のように全体としては比較的常識的な結論になったが、これまであまり語られてこなかった当事者の声を取り上げそれらを横断的に比較できた点は大きな収穫であり、それは将来的に行われるであろう量的調査の基礎資料にもなるものと思われる。今回は、特に最も活躍していると思われる40歳代~50歳代を対象としたが、今後は対象業種の拡大に加え、年齢階層を考慮に入れることで専門的・技術的職業従事者の雇用・労働問題の実態に肉薄していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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