研究概要 |
本年度は,まず,街並みメッセージを捉えるための記号の精査を行った.これは既存の成果では,簡単な街路の性格しか捉えられないことから,多様な街路イメージを捉えられるように拡張するためである.具体的には,連携研究者(記号論)から適宜助言を受けながら,記号論としての正当性と,それが説明しようとしている街路イメージの重要性(研究代表者),空間認知上の重要性(研究分担者(認知科学))とで,バランスをとりながら.研究目的で示したような,直接記号と婉曲記号,記号表現の分類として直観的記号と論理的記号からなる4分類を基本としつつ,多様なイメージが解釈できるように,掘り下げ,新たな記号分類を確立した. 次に,商店街における,様々なイメージを持つ店舗写真を収集(網羅性を考慮し,東京,横浜,仙台)し,それらについて,先述した記号分類別に,記号量を計測(一般性が得られるよう充分なサンプルを得るため1,500店舗を計測)した上で,記号分布のパタンを同定した(主に研究代表煮). これらの準備作業に基づき,研究目的の2.で述べた(1)の段階を実施した.すなわち,その記号分布パタンが店舗イメージをどのように左右するのか,初年度は,記号の組合せを考慮せず,単独の記号の効果(記号論では意味論的コードの作用)の検証を行った.また、そこから派生して、まずは、空間の変化に伴うイメージ変化について、係留効果に着目することで、その影響の測定へと研究を展開した。
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