研究概要 |
本研究は,店舗イメージに対象を絞った上で,(1)まず,従来の枠組みを拡張し,記号表現,記号内容双方から分類し精緻化する.それぞれの記号がどのような街路イメージと結びつくのか,認知心理学的に検証する.(2)さらに,単独の記号だけで決定するイメージ(記号論では意味論的コード)だけでなく,複数の記号の組合せによる効果(記号論では統辞論的コード)についても,検討を深め,それぞれが,どのような街路イメージに結びつくのか,認知心理学的に検証をする.なお店舗ファサードの要素に着目して,研究代表者は和風店舗のイメージ形成における統辞論的コードの役割を既に分析しているが,これはそれを街並みメッセージにも敷衍しようとするものある.(3)次に,その店舗の集合体として街並みを捉え,その分布状況から,街並みのイメージを同定する.(4)その上で,どのような記号,及び記号の組合せパタンが,どのようなイメージを創出するのか,街路デザインのデザインボキャブラリーとして,取り纏めることの4点を目標としている. その中で、23年度は、(2)(3)を実施した。複数の記号の統辞論的な効果については、和風店舗に実績があるので、店舗単位ではなく空間単位での係留効果に着目する。つまり、単調な空間が連続することで馴れてしまい印象が軽減する効果(馴化)や、別のイメージの空間が展開し、より展開先のイメージが強調される効果(対比)の双方を主に扱って、研究を進めた。
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