研究課題/領域番号 |
22615003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西川 潔 筑波大学, 副学長 (80114114)
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研究分担者 |
小場瀬 令二 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (80144202)
山本 早里 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90300029)
谷口 綾子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80422195)
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キーワード | サイン計画 / 都市計画 / 交通マネジメント / 環境心理学 / 環境デザイン |
研究概要 |
Shared Spaceは道路標識や信号機を徹去し、景観配慮のもとに歩道と車道の一体化をすすめ、道路利用者相互がアイコンタクトしながら同一空間を共有するものである。研究の目的は、人間性を重視したこの概念を検討し、わが国における実現の可能性を探ることである。平成22年度はShared Spaceの国内外の事例調査および資料収集と、日本における概念受容の度合い等を以下のように調査した。 1)ロンドン市内(Exhihition Road、Kensington High Street)、Ashford市、ベルギーOstend市で調査。それぞれの環境特性に合わせ多様な展開が見られた。 2)サンフランシスコ及びシアトルにおいて、米国におけるShared Spaceの展開を調査した。概して部分的な導入であり、従来のボンエルフ的な手法との混同も見られた。それぞれの状況に即した柔軟な道路環境づくりは、今後の一つの方向を示すものと考えられる。 3)国際セミナー「Shared Space」の開催。オーストリアから講師としてカール・ポッシュ氏を迎え、ヨーロッパの事情と創始者モンダーマン氏死後の概念の発展について、意見交換を行った。 4)日本の商店街における歩行者と商店主を対象としたShared Spaceの概念受容ついてアンケート調査を行った。道路幅員がやや広く車の通行が多い商店街では受容性が低いという結果が得られた。 5)日本国内でShared Spaceの初の事例となる京都市下京区東洞院通における社会実験に関して、現地調査と関係者へのヒアリングを行った。試行としての意義は認められるものの、現行法規や関係する団体との調整など、多様で周到な準備が要るために、具体的な導入には依然として時間を要することが認識された。
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