研究概要 |
デザイン知の獲得・形成と適用のプロセスをデザインにおける創造的認知プロセスとして解明するとともに,創造的認知を扱うデザイン研究の方法論を構築することを目的し,実務設計に,設計者と施主だけではなく,研究者も参加し,デザイン・プロセスの直観的内部観測と科学的な外部観測を融合することによって,従来の科学的アプローチのみでは捉えることができないタイプのデザイン知を浮き彫りにしつつある.具体的には,設計実務におけるデザイン主体(クライアント,デザイナー)の間の会話記録(打合せやデザイン案の説明など)や研究者によるデザイン主体のインタビュー記録をデザインに関するナラティブ資料として収集し,これらに基づいて概念空間(主要な語と語の共起関係によって形成される空間)とデザインの関係を以下のようにして捉えようとしている.(1)設計段階毎にナラティブに用いられる単語の頻度を品詞(名詞,動詞,形容詞,副詞別)別に集計し,これらの単語が形成する概念空間(線形空間,クラスター,ネットワーク構造等)に基づいてデザイン及び研究の方向付けを行い,設計案を生成するという構成的方法論を実践した.(2)デザイン及び研究の方向付けにおける発想を促す手法として,概念空間を構成する主たる語の共起関係を逐次的にネットワーク構造によって示し,CGを用いて視覚表現することを試みた.(3)超指向性スピーカー複数台を用い,概念空間の推移を音を用いて聴覚表現する手法を検討した.
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