研究課題/領域番号 |
22615023
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
小山 恵美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80346121)
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研究分担者 |
仲 隆介 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (10198020)
松本 裕司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (60379071)
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キーワード | 知的活性度 / オフィス / 光環境 / デザイン / 生体計測 |
研究概要 |
1. 「ひらめき」など創造的な知的生産活動につながる「知的活性度」が発揮される心身の土台として「生理的・心理的活性度」に着目し、オフィスでのフィールド計測に適用できる計測評価指標について、行動記録・主観評価・体温指標などのデータベースを蓄積し、活性度の定量的評価手法および活性度に影響を与える執務空間の要素を予備的に検討した。 2. 「ひらめき」につながる知的活性度の計測評価手法(実験室での計測)の検討として、3時間実務の前後に課題(なぞなぞ)を課し、脳波等の生体信号指標の計測を実施した。「ひらめき」を反映する生体信号指標候補として、課題回答直前の脳波パワー値が減少する傾向が示唆された。 3. 光の非視覚的生理作用を活用し、執務空間の光環境を非定常的に時間変化させるようにデザインすることが知的活性度の向上に寄与するという仮説を生理・心理的評価によって検証するため、ゆらぎを持つ非定常な光環境を整備可能な光制御装置を実験室規模で試作した。低照度定常光(5001x条件)、高照度定常光(15001x条件)、非定常光(変化条件、500から15001xまで変化)の3条件比較により、非定常光環境が知的活性度に及ぼす影響を予備的に評価した。5001x条件では、15001x条件と変化条件に比べ、3時間の実務中盤での主観・生体信号指標における覚醒度と知的活性度が低くなる傾向が示唆された。しかし、実務序盤、終盤では、一貫した主観・生体信号指標の傾向は明確にはならなかった。変化条件では、照度変化の直前直後における生体信号指標において、直後に心電R-R時系列LF/HF値の上昇傾向、HFパワーと脳波α波パワー値の低下傾向が示唆され、非定常光環境が自律神経活動や生理的覚醒度に上昇方向の影響を与える可能性が示唆された。
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