平成22年度は、石狩川、尻別川、目名川、豊平川等の特徴的な河川標識を設置している河川の調査と新町川、淀川、隅田川等の都市部における河川標識の調査、都賀川における危険水位を知らせる標識の調査の各フィールド調査を実施し、設置意図に応じて河川標識にどのくらいの種類があるかを分類した。また、標識デザインと標識が設置されている河川環境の空間特性との関係についても整理し、河川環境の空間特性と河川標識デザインの関係について整理した。これらの標識を分類・整理したことにより一般的に設置される河川標識の種類および各河川の河川標識の量について明らかにすることができた。また、空間特性に応じて標識の数や種類に変化があることや標識自体のデザイン傾向に変化があることについても明らかにすることができた。次に標識個々の情報量の過不足、情報提供の仕方・仕様、標識設置位置等についても整理し、河川標識の種類ごとの課題を抽出し整理した。次に一般の利用者及び河川管理者が河川標識に求めている役割をヒアリング調査から明確化し、河川標識を求められる役割を果たす標識にするための標識デザインの方針を策定した。具体的なデザイン方針としては、標識に使用する色のルール化を行うことやわかりやすい情報伝達のための標識の表示に関するルール化と標識本体の設置方法に関するルール化、標識の設置場所における空間特性と標識に使用する素材選定における基本方針についての指標を定めた。次年度以降は、策定したデザイン方針に則った具体的なデザイン提案を行い、標識の設置者が利用しやすいガイドラインとしてまとめる。
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