研究課題/領域番号 |
22615030
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50437745)
|
研究分担者 |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20243975)
|
キーワード | 河川標識 / ガイドライン / デザイン |
研究概要 |
昨年度実施した河川標識の現状調査から導き出した河川標識に関するデザインルール(標識に使用する色のルール化、標識の表示面のルール化、標識本体の設置方法のルール化、標識の設置場所における空間特性と標識に使用する素材選定における基本方針の制定)に則って具体的に規制標識や記名標識等の表示面や本体のデザインを検討した。検討したデザイン内容については、実際に役立つものとするために、現場で標識管理を行う人々の意見を収集する必要があると考え、九州地方整備局の協力を得て広く河川管理者等から意見を収集した。そして河川管理者の意見を収集しながら修正を繰り返すことで現場でも対応可能な標識の具体的デザイン案として精査した。ここまでの研究をまとめるために、昨年度整理した河川標識のデザインルールと今年度実施した具体的デザイン提案を整理した、河川標識ガイドラインとしてまとめた。作成したガイドラインは九州地方整備局を通じ広く九州の河川管理者へ広報していただいたことから、このガイドラインのデザインルールに則り河川標識が九州のあちらこちらで設置されるようになった。ガイドラインに沿った標識がきちんと設置されているかの確認のため設置済み標識の現地調査を実施した。この調査から想定した標識とは微妙に異なる河川標識の設置が行われているケースがあることがわかり、ガイドラインの掲載に不足部分があることや情報が明確に伝わっていない部分があることを明確にすることができた。次年度は設置済み標識の現地調査を反映したガイドラインの改訂版の発行を目指すこととし、さらに設置された標識に対するデザイン評価調査も実施することとする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載したとおりに今年度中に現状調査の分析・考察から河川標識ガイドラインをまとめることができた。また、このガイドラインに則った事例が実際に設置されたことで最終年度に予定していた標識のデザイン評価が行いやすくなった。さらに事例があることからガイドラインの不十分な点を明確にできたため、さらなる研究の発展につなげることができると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度となる次年度は、提案した河川標識のデザイン評価調査を実施するとともに、今年度明確にすることができたガイドラインの不十分な点について整理を行う。そして河川利用時に人々にとって有効な情報伝達手段となる河川標識のあり方をデザイン評価調査の結果もふまえ明確にしていく予定である。
|