研究課題
2年目である23年度は、22年度に明らかになった問題点について検討するために、幾つかの新たな研究に取り組むと共に、順次成果を発表した。・服薬率の改善については、企業と共同でリマインダーカードを開発し、その実用性を官能試験によって検証した。多くのユーザーが薬物治療の適正な遂行のためには利用したいとの希望があり、かつ病状と服薬の対比ができることが医療従事者や製薬メーカーから評価された。関節リウマチ、糖尿病について検討したが、てんかんについても更に調査検討を継続している。講演や海外学会での発表に続き、論文を作成中である。・表示については、前年度に行った色弱者に見にくい色についての配慮の必要性を考慮し、わかりやすく間違えない包装を目指すために色及び表示のレイアウトなどについて、一般用医薬品について検証した。まず、一般用医薬品の表示について諸外国の規定と日本の規定の違いを比較した。日本の規定の下ではレイアウトなどが適切に施行されない事が示唆された。次に実際に幾つかの医薬品を官能評価してもらうと、色使いの問題で色弱者想定めがねを書けた場合には読めない表示が確認され、薬剤使用に際する大きな問題として確認された。また、レイアウトについても個々に規定がないため、ユーザーは最も重要な情報を得るために読まなければならない場所が不明になりがちであることが明らかになった。今後、これらの問題点を踏まえてモデル的な一般薬包装を幾つか考案していく作業に取りかかっている。・一包化包装については、海外の再利用型の包装について英国、カナダについて調査した。日本においても、在宅医療においては日本型一包化包装ばかりでなく必要に応じて今後取り入れるべきだと考えられた。・ドーズパックという新たに、表示がわかりやすく子供の誤使用防止(誤って子供が服用することを防ぐ)機能を備えた薬剤包装の使用性の検討に新たに取りかかっている。以上の研究項目はいずれも引き続き24年度に継続し、順次論文化を計画している。
2: おおむね順調に進展している
薬剤包装のユニバーサルデザインに必用な問題抽出ができた。問題点に対応する方法や、新たな戦略を考えてその研究を進めている。
実際に考案した薬剤包装を実現化するために、企業との連携によって開発を進める計画を立てている。また、実際の薬剤包装の工夫が有効かどうかについても、共同研究を進めている。
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