研究課題
本年度は、昨年度に引き続き図の収集作業と収集した図の分析と体系化を継続して行った。これまでに収集した図のデータベースを見直し再構築し、図の体系化をはかるために開発したビジュアルデータベース支援ツールの見直しとブラッシュアップを行った。さらに、本ツールを用いて図の形態的特徴から分類を行ない、近世日本の図の特性抽出を試みた。すなわち、近世日本においてどのような分野の書籍において、どのような内容を表現するために図が活用されてきたのかを調査し、さらに、それらの図はどのような形態的な特徴があるのかを明らかにするために、収集した図の形態的な特徴から分類を行った。それによって、収集した文献を横断的に比較し、図の形態的な特性と形の有する意味について解釈を試みた。その結果、近世日本において、図は天文、地理、暦術、医術、本草、算術、思想、産業(染物、菓子、工芸)、建築業、広告、行政、軍事など、幅広い分野の文献において活用されており、特に当時の実学関係の書物において活用されていることが分かった。さらに、図の形態的特徴は分野ごとにあるのではなく、分野を越え共通した図形の生成ルールがあると考えられた。以上の成果を総括し、デザイン学に関わる芸術工学会や、形の科学に関わる学会などで発表した。それにより本研究の意義を確認でき、さらに多くの意見を得ることで今後の研究の展開を検討することができた。これまでの研究活動において、図の収集方法に検討の余地が必要である。全国には未だ公開されず保存されている文献も多々あり、デジタルデータ化された文献においても、それらの中から図を収集する効率的な方法の検討を今後の課題としたい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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The 9th ISIS Congress-Festival Symmetry: Art and Science
巻: 1 ページ: 印刷中
形の科学会誌
巻: 27 ページ: 60,61
芸術工学会誌
巻: 60 ページ: 44,45
日本デザイン学会誌
巻: vol.22, No.77 ページ: 22,27