研究概要 |
本研究は,交通結節点における誘導サインのデザインと空間表記法を用いた連続性検証による最適化を目的としており,平成23年度については,平成22年度調査における成果発表を行うとともに,これらの成果を基に以下の3点を目的とし研究を遂行した。1.「既設サインの連続性検証」駅空間の既設サインについて交通結節という観点から乗り換え経路上のサインの連続性を検証する。2.「サインデザイン研究」サインデザインの分析を前に各種誘導サインのデザイン研究を行い,基礎資料を作成する。3.「表記実験の実施」改良を加えた表記法CONTINUOUS RECORDを用いたサイン抽出実験の実施。 これらの目的の内,1.「既設サインの連続性検証」においては,平成22年度に行ったJR大阪,奈良,宝塚,岡山,広島,博多,鹿児島中央の各駅においての現地調査の結果を集計,分析するとともに,今後の調査対象駅として,路面電車との接続を考慮することを確認した。そして,平成23年度調査においては,路面電車との接続があるターミナル駅として,JR岡山,広島,鹿児島中央の追加詳細調査を行うとともに,新たにJR熊本駅を対象として追加し調査を行った。2.「サインデザイン研究」については,これまでに調査を行った駅の構内,及び,駅前広場空間,地下空間から抽出したサインの分類,比較を行った。この作業については,平成23年度にも調査を行っているため,これらの調査から得られたサインについても,引き続き考察を行っていくこととする。3.「表記実験の実施」については,平成22年度末から引き続き,3次元映像を使用したサイン抽出の結果と表記法によるサイン抽出結果との比較考察を行った。なお,これらの成果については,平成24年度に,日本デザイン学会,及び,日本建築学会において発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
遠方に赴いての現地調査は,実施可能な時期が限定される。これまでは主として年度末の時期に実施してきたが,今年度については,夏季にも実施できるよう調整し,年度内に調査結果を集計,分析できるようスケジュールを調整する予定である。また,研究の中間年度にあたるため,これまでの成果について取りまとめ,最終的な成果に向けた方向性の確認と調整を行う。
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