研究概要 |
1) 調査方法の確立:共同研究者であるスウェーデンのカロリンスカ研究所のルイーズ教授が考案したETUQの日本語版を作製し、訪問調査方法を定めた。 2) 訪問調査の実施:神戸大学倫理委員会の承認の下、関係機関の協力を得て、独居または日中独居の認知機能に問題を有する高齢者に対して、本人および親族の了解を得て訪問調査を実施した。対象数は52人であり、MMSE,GDS,FAIの認知機能に関する測定とETUQ調査シートに基づく調査、および保有家電製品の使用状況の映像記録を行った。 3) 課題の分析:調査結果をもとに、生活上の問題と使用が困難な家電製品の特性について分析を行った。 4) カロリンスカ研究所との研究成果の交換:スウェーデンのカロリンスカ研究所にて、ETUQ調査結果を相互に情報交換し、国間の比較検討を行った。また、カロリンスカ研究所にて新たに取り組んでいる機器操作能力の測定方法に関して情報交換を行った。 5) 支援技術の開発・検討:抽出された問題に対して、「促す」ことの技術的な支援の可能性と効果を確認し、家電製品に期待される機能を明確化する目的で、以下の補助機器を開発した。 (1)音声録音再生デバイスの検討 (2)制御に用いるマイクロコンピュータの検討 (3)電子レンジの調理後の取り出し忘れとドアの介抱を促す電子レンジモニターの開発 (4)外出を引き留めるための息子の声かけを玄関で行う装置の開発 (5)便器の洗浄レバー操作を忘れる人のための「便器洗浄促し装置」の開発 (6)電話機の使用を簡単にするためのインタフェースの検討 (7)電話のメモで約束の日時がわからなくなることを防止する「メモ日時記録装置」の検討
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