研究課題/領域番号 |
22616002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 康博 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (80442929)
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研究分担者 |
西川 雅章 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512085)
北條 正樹 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70252492)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | アクチンフィラメント / メカノバイオロジー / メカノセンサー / 分子動力学 / シミュレーション / in silico |
研究概要 |
本課題では、アクチンフィラメントのメカノセンサー機構について、その分子的メカニズムの解明を行うことを目指している。タンパク質間相互作用には、結合ドメインを構成するアミノ酸残基群の立体構造が重要となるため、張力負荷による立体構造変化はアクチンフィラメントのメカノセンサー機構の分子的実体であると考えられる。本年度では、アミノ酸残基群の立体構造を特徴付ける指標として任意の2つのアミノ酸残基間の距離に着目し、張力負荷によって、平均距離およびゆらぎの大きさが変化するアミノ酸残基を抽出した。このとき、およそ14万通りのアミノ酸残基の組み合わせを網羅解析するため、張力感受的なアミノ酸残基を効率よく抽出するための手法検討を行い、情報統計学におけるカルバックーライブラー情報量を用いることで、張力負荷によって敏感に立体構造変化するアミノ酸残基群を抽出することに成功した。抽出したドメインには、アクチンとの相互作用が張力感受的であることが実験的に示唆されるタンパク質との結合ドメインが含まれていた。よって、抽出したドメインは張力感受ドメインであることが強く示唆された。 アクチンフィラメントには、フィラメントレベルの張力負荷によって、アミノ酸残基レベルに一様な立体構造変化が生じるのではなく、一部のドメイン構造とそのゆらぎが敏感に変化できる仕組があることがわかった。このようなドメインを結合対象とするアクチン関連タンパク質では、アクチンとの相互作用が張力感受的になることが考えられることから、アクチンフィラメントのメカノセンサー機構の分子的実体は張力感受ドメインにあることが強く示唆された。さらに、今回の解析では、張力感受ドメインには、アクチンとの相互作用が張力感受的であることが未確認のタンパク質結合ドメインも含まれていた。これは、本課題を超えて、実験との連携による確証を得るための展開に繋がる重要な知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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