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2010 年度 実績報告書

グラフトポロジー構造を考慮した高速ランダムウォークの設計と応用

研究課題

研究課題/領域番号 22650004
研究機関九州大学

研究代表者

小野 廣隆  九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (00346826)

キーワード有限グラフ / ランダムウォーク / 次数情報 / マルコフ連鎖 / 全訪問時間 / 到達時間 / MHアルゴリズム / グラフトポロジー
研究概要

有限グラフ上のランダムウォークとは,グラフ上の適当な頂点に置かれた粒子を隣接する頂点に対してランダムに移動させていくモデルである.通常の「隣接頂点に等確率で移動する」というランダムウォークでは,全頂点に粒子が訪問するまでの期待ステップ数は一般に0(n^3)であるが,グラフのトポロジーを考慮した遷移確率を採用することにより,期待ステップ数を悪くとも0(n^2),トポロジーによっては0(n)まで高速化できる.さて,自然界もしくは人工システム上の多くの現象が有限グラフ上のランダムウォークとしてモデル化できる.自然現象系に目を向けると,DNAコンピューティング/ナノテクにおける分子遷移機械は熱力学的な制約の下,とりうる状態空間をランダムウォークしながら形態を変化させる.人工現象系に目を向けると,情報システムであるインターネットのサーチエンジンのデータ取得用ロボットはWeb空間上をランダムウォークしながらデータを取得する.このように多くの分野で,高速なランダムウォーク設計が大きな意義を持つ.本研究は,ランダムウォークの高速化の仕組みを解明し,その設計論を確立することにより,諸分野におけるランダムウォークとしてモデル化できる現象/対象に対する解決法の提供を試みるものである.
平成22年度は最も有名なMCMC法であるメトロポリス・ヘイスティングスアルゴリズムをグラフランダムウォークに適用したメトロポリスウォークの到達時間・全訪問時間のタイトな上界を明らかにするとともに,グラフ上の高速ランダムウォーク(到達速度が任意のグラフで0(n^2)であるようなランダムウォーク)を実現するのに従来利用されてきたトポロジー情報を大幅に改善するランダムウォークの設計に成功した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] How Slow, or Fast, Are Standard Random Walks?-Analyses of Hitting and Cover. Times on Tree2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Nonaka, H.Ono, S.Kijima, K.Sadakane, M.Yamashita
    • 雑誌名

      CATS 2011, Proceedings, CPRIT

      巻: 119 ページ: 63-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pattern Formation through Optimum Matching by Oblivious CORDA Robots2010

    • 著者名/発表者名
      N.Fujinaga, H.Ono, S.Kijima, M.Yamashita
    • 雑誌名

      OPODIS 2010, Lecture Notes in Computer Science

      巻: 6490 ページ: 1-15

    • URL

      http://dx.doi.org/10.1007/978-3-642-17653-1_1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The hitting and cover times of Metropolis walks2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Nonaka, H.Ono, K.Sadakane, M.Yamashita
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 411 ページ: 1889-1894

    • 査読あり
  • [学会発表] 木上のランダムウォーク高速化の可能性2010

    • 著者名/発表者名
      野中良哲, 小野廣隆, 来嶋秀治, 山下雅史
    • 学会等名
      2010年度 夏のLAシンポジウム
    • 発表場所
      九殿浜温泉 ひみのはな
    • 年月日
      2010-07-21
  • [備考]

    • URL

      http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K000224/research.html

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公開日: 2012-07-19  

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