PC (Personal Computer) で動作するWebブラウザとWebサーバ上で動作するWebアプリケーションは、電子商取引等の局面では競合的な関係にある。利用者と競合するプログラムを利用者が管理する PC で実行することは、一般的には不可能である。IC カードのような耐タンパー性を持つデバイスで利用者と競合するプログラムを動作させることはできるが、そのようなデバイスの処理能力は非常に低い。この研究では、仮想化技術と耐タンパー性を持つデバイスを用いて利用者が管理する PC で利用者と競合するプログラムを実行する手法を開発する。 平成24年度には、実現した中立的仮想計算機モニタを用いて動画像を対象とした著作権保護を実現した。従来の著作権保護は、リバースエンジニアリングにより保護を破ることが可能であるものか、または、著作権者側に組するハイパバイザの利用を強制され利用者としては安心できないという問題があった。本研究により、著作権保護を破ることは不可能で、かつ、利用者も安心して利用できるものが実現された。具体的には、動画像再生プログラム ffmpeg を、中立的仮想計算機モニタが提供した隠し環境で実行し、それに画面デバイスを一時的にアクセスさせるようにした。動画像再生中は、ユーザ環境から画面デバイスへのアクセスを禁止することで著作権を保護する。
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