研究概要 |
初年度に引き続き,以下1.2.に関する基礎検討を進め,具体的な分析法に関して検討を深めた. 1.有意部分の抽出とデータ粒度の均質化 多種多様なセンシングデータを統一的に利用する場合,各センシングデータの特徴量の時間方向の粒度と時限数の違いを考慮に入れなければならない.一般にセンシングデータには,時間方向の分解能と,一回のセンシングで得られる観測値自体の分解能があると言え,それら分解能が著しく異なった場合には,センサフュージョンが困難になると考えられる.そこで,連続するいくつかの時系列データをセグメントとしてまとめ,一定の長さを持つ時系列データをセグメント単位に分割し,多段階のクラスタリングと分類の組み合わせによって頻出パターンを抽出方式を実現した.これにより,多様なセンシングデータの粒度や位相のずれをある程度吸収し,有意なデータのみに注目できることを確認した. 2.有意データ節間の相違度 センサフュージョンの方法に関して,多種多様なセンシングデータ間を完全に同期させることは困難なため,多種多様なセンシングデータ間の波形パターンの組合せが完全に一致するとは限らない.そこで,各センシングデータの特徴量を統一的に扱うための粒度の均質化について検討し,観測された時系列シークエンスを類似したものと判別するための距離の定義を検討した.具体的には,k-最近傍法を利用することで多様なセンシングデータ間の距離を均一に扱うことができる方式を開発した.
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