研究概要 |
本研究では,ミリ波レーダーなどの測路デバイスとGPS機能付カーナビゲーションシステムを搭載する走行車両群の時々刻々と変化する走行位置を各車両群が自律的且つリアルタイムに推定するための車車間通信プロトコルを考案し,現実的な車両モビリティの下でその精度を精査し,車両密度とその位置推定精度などの関係を明確にすることを目的とする.一般に,すべての車両が測路レーダーとカーナビを保持していると仮定できないので,提案プロトコルでは,50-60%程度の車両がカーナビを保持し,20-30%程度の車両がミリ波レーダーを保持しているような状況を想定し,ミリ波レーダーやカーナビを保持する車両が非保車両の位置を推定し,パケット衝突を回避しながら車両間で推定位置情報を交換することで,走行車両群全体の移動履歴を高精度且つリアルタイムで推定する方法を考案することを目的とする.今年度は,まずミリ波レーダーやGPSなどの測路デバイスの誤差分布をできるだけ正確に把握するため,ミリ波レーダーモジュールとGPS付カーナビから測路デバイスの誤差分布のデータを収集・分析・評価すると共に,時々刻々と変化する各走行車両の推定位置を周辺車両間で自律的に交換しながら周辺車両群の走行状況をリアルタイムに把握するための車車間通信プロトコルを考案した.一般に,他車両からの推定位置情報や自車両のGPS情報には誤差が含まれているが,提案手法では複数の車両の推定位置情報を重ね合わせることで,その精度を高めている.これらの研究成果の一部を情報処理学会第56回モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会で発表し,優秀発表賞を受賞した.
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