研究課題
パッチベース圧縮技術に関する基礎検討を行った。実写3次元映像の圧縮の難しさは下記の2点にある。1)被写体は、服を着た人物など非剛体であることが多いため、各フレームが独立に生成される。時間的に隣接するフレーム同士であっても頂点数や結線関係は保存されないことが多い。そのため、隣接フレーム間には明示的な対応関係や動き情報がない。2)3次元映像には2次元動画像の「ピクセル」のような基本単位構造がなく、3次元モデルを構成する数十万個の頂点が3次元空間の任意位置に分布する。そのため、処理のための基本ブロックを作りにくい。そこで、新規技術として、測地線距離を用いて3次元メッシュモデルの表面をある程度一定の面積で分割し、生成されるパッチを種々の処理の基本単位とする方式を開発した。また、パッチを基本構造とすることで、パッチの空間冗長性を利用したフレーム内圧縮、主成分分析によるパッチの正規化とパッチ同士の差分処理によるフレーム間圧縮を可能とした。(2次元動画像の「ブロックマッチング」に対応して、「パッチマッチング」と呼ぶ)。平成22年度は、特にこのパッチマッチング法について基礎的な実験を行い、方式の体系化を試た。その結果、パッチ間の相関と圧縮(フレーム間圧縮)については隣接フレーム間のパッチ同士の頂点や色情報を比較し、類似したパッチを探索する(パッチマッチング)ことで、効率よくフレーム間の差分を圧縮できることを確認した。また、パッチ自身の圧縮(フレーム内圧縮)についても同様の方式で圧縮できた。また、静止3次元映像や3次元CGなどの圧縮技術などについて調査を行った。
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http://www.hal.t.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html