研究概要 |
1.基本システムの構築 現有の分光プログラマブル光源と,新規に購入したモノクロカメラモジュール一式を用いて,任意の分光波長を高速に照射できる高速アクティブイメージングシステムを構築した.なお,購入カメラは当初計画と異なり,安価で高性能なカメラに変更し,また光源強度の劣化のため,光源ランプを交換した.照射範囲を拡大するために,別予算で分光プログラマブル光源を購入し,2台によるイメージングの構築を検討した.用途に応じて,個別のレンズによる照射系と,2分岐ケーブルによる1つのレンズによる照射系を使い分けることとした.さらに個体差のある2光源を制御するアルゴリズムを開発した. 2.新しい画像測色法の開発 CIE等色関数を,正確に記述する分光分布をもつ照明光を生成する技法を開発した.このような照明光を反射物体に均一に照明し,全画素点の三刺激値をカメラ出力値として求める新しい画像測色法を開発した.すなわち積分や掛算といった数値計算をせずに,カメラの画素値として,測色値が高速に得られる. 3.XYZディスプレイの構築 カメラやディスプレイの特性を考慮したアクティブ照明光源を設計することにより,カメラ出力をそのままディスプレイ入力とすることによって,正確なXYZ三刺激値を直接ディスプレイデバイスから出力させる統合システムを構築した.これにより高精度のカラー画像表示が可能で,精度改善を検討中である. 4.応用研究 システムの応用として,物体の分光反射率をモノクロカメラの各画素において迅速に推定する方法を検討した.アクティブ分光照明を用いた分光反射率推定方法として,可視域において,分光反射率を基底関数に分解して効率をあげる方法を開発した.また,絵画のディジタルアーカイブへの応用は,波長分解能を高くするよりも,照明光源の光量を増大が必要で,このためのシステム構築の検討を継続している.
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