(a) データ解析これまでに名古屋大学にて構築した300例程度の胸部・腹部CT像を画像レジストレーション研究において利用できるようデータ解析を行った。同一被検者の異なる時刻において撮影された画像ならびに異なる被検者の画像同士の濃度値に基づくpair-wiseレジストレーションを実行し、臓器移動モデル、臓器変形モデル、臓器相互モデル検討で必要なデータを得た。 (b) 臓器移動変形解析データ解析によって得られた臓器移動に関する基礎的解析法の検討を行った。具体的には、臓器の重心位置、呼吸動・心拍動などに伴う臓器動きの解析を画像間のレジストレーションによって求める方法を検討した。また、臓器形状だけではなく、多発性の肺結節といった病変が時間を経るに従ってどのように移動変形するかについても定量化する手法の検討を行った。 (c) 臓器変形移動モデル検討腹部臓器解剖学的構造の解析結果を基に、被験者間でどのように臓器の相互位置関係が異なるかを統計学的に解析した。臓器相互重心位置や臓器境界がどのように変化しているかの検討をおこなった。画像ベースに基づく、臓器変形移動モデルについての検討を重点的に行った。また、この変形移動モデルを内視鏡ナビゲーションに利用する手法についても検討を行った。たとえば、気管支が呼吸によって変形移動するような場合、内視鏡ナビゲーションにおいて用いるモデルとセンサ等から得られる情報をどのように対応付ければよいかについて検討を進めた。
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