研究概要 |
本萌芽研究が採択されたことにより,当該技術の体系的整理を行い,今後取り組むべき研究課題を抽出することに着手した.また,Deminished Reality (DR)の邦訳として「隠消現実感」が定着するよう,広報活動も開始した 「隠消現実感」の対象となる現実世界は,除去したい事物,背景,体験(観察)者が静止しているか,移動しているか,その画像的な複雑さによって,処理手法がかなり異なる.そこで平成22年度は,改めて徹底した関連技術調査を行い,約80件の論文をベースとして技術課題を整理し,技術マップ第1版を作成した.同技術マップでは,DRの基本的技術要素を,(1)ユーザ視点カメラの移動,(2)遮蔽物の存在,(3)除去対象物体領域の決定、(4)隠背景の観測手法,(5)隠背景の幾何学形状のモデル化の5つに分け,関連研究を分類した.また,これら従来研究を調査した結果,よりリアリティの高いDRを実現するために今後必要な発展的な課題として,(1)幾何学的整合性,(2)光学的整合性,(3)Half-DR,(4)聴覚のDRを挙げた.本成果を,総説論文として学会論文誌に投稿した また本研究では,これらの調査と並行して,関連技術のうち代表的な手法の追試を行った.また発展的課題(1)(2)(3)に着手し,(2)の光学的整合性に関しては,申請者らのオリジナル手法によるDR実験を行い,その成果を国内研究会にて発表した
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