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2011 年度 実績報告書

「くすぐったい」感覚の脳内情報処理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22650039
研究機関筑波大学

研究代表者

志賀 隆  筑波大学, 医学医療系, 教授 (50178860)

研究分担者 山本 三幸  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80143147)
先崎 浩次  筑波大学, 医学医療系, 講師 (30333280)
キーワードくすぐったい / 皮膚感覚 / 光トポグラフィー / セロトニン / 脳部位
研究概要

ヒトでのくすぐり刺激の解析:くすぐり刺激で活性化される脳部位を検討するために、前年度にくすぐり刺激の条件(振動装置による機械的刺激と手による刺激)と光トポグラフィーによる計測位置を検討した。それを踏まえて、本年度は成人被験者をイスに着席させ、足を前方に伸ばした状態で素足の足底に手による2種類の刺激を加えた。くすぐり刺激として、フリーハンドで足裏をボールペン先で円を描くようにくすぐる刺激と筆を用いてなでる刺激を比較した。刺激は、3秒間の刺激期間と17秒の休憩期間とを交互に計5回行った。実験終了後、被験者にくすぐったさを5段階評価してもらった結果、筆を用いる刺激がよりくすぐったいとの解答を得たため、この刺激を採用し、光トポグラフィーによる解析を行った。なお、コントロールとして、くすぐったいと感じないフリーハンドで足裏をボールペン先でタップする刺激を用いた。光トポグラフィーを用いた脳の血流変化の測定は、縦横6センチ四方に3×3に配置されたプローブを2個用い、それぞれ中央が国際10-20法のC3とC4になるように被験者の頭部に装着し、左右計24チャンネルから記録した。C3とC4はほぼ中心後回と中心前回に相当する。24チャンネルのうち5チャンネルで、筆を用いて刺激を与えた場合にタップ刺激を与えた場合と比較してよりオキシヘモグロビンの濃度が高くなる傾向が見られた。逆に濃度が減少するチャンネルが1チャンネル見られた。従って、C3およびC4においてくすぐり刺激とタップ刺激を区別している可能性が示された。
実験動物を用いた皮膚刺激によるセロトニン神経系への影響の解析:筆を用いて新生仔マウスの背部に合計5分間皮膚刺激を与え、前頭皮質と海馬でのセロトニン(5-HT)1A、2Aおよび2C受容体のmRNA発現量の変化を調べた。刺激終了直後では前頭皮質の5-HT2C受容体mRNAと海馬の5-HT1A受容体mRNAの発現量が増加し、また新生仔期に刺激を加えたマウスが成体になっても、海馬の5-HT1A受容体のmRNAと5-HT2C受容体mRNAの発現量が増加していた。従って、筆による皮膚刺激は前頭皮質と海馬のセロトニン受容体に影響を及ぼし、その影響が成長後にも残ることが示唆された。また、刺激によって活性化される脳部位をc-fosの発現を基準に解析した。刺激期間中に母親と引き離すため、母親と引き離すが筆による刺激を加えないものをコントロールとした。その結果、側頭皮質等でc-fosの発現が見られたが、筆による刺激によって特異的に活性化される脳部位は検出できなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/anatomy/shiga-group/anatmy3rd.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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