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2011 年度 実績報告書

複合現実感技術を利用した境界知の探索による臨場感を表現する情報量の圧縮

研究課題

研究課題/領域番号 22650040
研究機関筑波大学

研究代表者

北原 格  筑波大学, システム情報系, 准教授 (70323277)

キーワード複合現実感 / 感性計測評価 / 感性情報学 / バーチャルリアリティ / 認知科学
研究概要

本研究では、人間が仮想と現実の間に生じる違和感を知覚する境界である"境界知"に注目し、実物体と仮想物体を重畳させる複合現実感技術を用いることにより、境界知に影響を与える要因やその刺激値について調査を行い、臨場感を表現する(違和感のない映像を生成する)ために必要な情報量に関する知見を獲得することを目的とする.本年度は、以下二つの項目に関する研究を主に推進した.
項目(1)境界知に関する知見の獲得(情報量と見え方の変化および人間の知覚の関係調査)
前年度構築した複合現実感システムを用いて、境界知に影響を与える要因を様々に変化させながら人間の知覚特性に関する主観評価実験を実施した.その際、各要因の優先度(臨場感に与える影響の強さ)に関する検討を行った.この実験では、実物体と仮想物体を並べて配置した複合現実空間において、臨場感に影響を及ぼす要因を変化させながら生成した映像を被験者に提示し、実物と仮想物体の間に差異(違和感)を覚えた段階で、その旨を実験者に伝えるように指示した.
項目(2)情報量の操作による臨場感の拡張表現
人間の知覚が特定の刺激に対して敏感である性質を利用し、獲得された境界知に関する知見と要因毎の優先度を参照しながら、人間の知覚に影響を及ぼしにくい要因と強く与える要因を探索した.人間の知覚に影響を及ぼしにくい要因の情報・データ量は、大幅に減少させても違和感を覚えにくいという特性を利用して、臨場感を維持しつつ情報量を削減する仕組みや、同じ情報量でもより高い臨場感を表現する仕組みについて検討を行い、高臨場感映像提示方式の開発に取り組んだ.知覚に影響与えやすい要因については、その情報・データ量を適切に増幅することにより、実物以上に実物らしい映像の生成提示や、さらなる情報量の削減を可能とする仕組みに関する検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画時には、CGの臨場感に影響を与える要素として照明条件を主な対象としていたが、研究を推進するにつれ、運動視差やコントラスト更には人物CGの場合その表情など、検討すべき要素が増加したため、やや遅れているが、基盤となる実験システムは構築済みであり、来年度十分に検討を行うことが可能である.

今後の研究の推進方策

これまでの研究活動において構築した複合現実型提示システムを活用し、CGの臨場感に影響を与える要素の検証と、それによって得られた知見を用いた、高臨場型複合現実空間の実現を目指す.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 広域屋外環境における複合現実型バーチャルジオラマインタフェースの評価2011

    • 著者名/発表者名
      林将之,北原格,亀田能成,大田友一
    • 雑誌名

      日本バーチャルリアリティ学会論文誌

      巻: Vol.16,No.2 ページ: 215-225

    • 査読あり
  • [学会発表] 仮想化現実技術を用いた拡張現実感の新展開2011

    • 著者名/発表者名
      北原格
    • 学会等名
      大阪電気通信大学情報学研究施設視覚情報学講演会
    • 発表場所
      大阪電気通信大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-02
  • [学会発表] A Development Report of MR-Mirror with Binocular and Motion Parallax2011

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Satoh, Itaru Kitahara, Yuichi Ohta
    • 学会等名
      The 4th Korea-Japan Workshop on Mixed Reality
    • 発表場所
      Expo park, Osaka, Japan
    • 年月日
      2011-04-15

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公開日: 2013-06-26  

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