研究概要 |
三次元視覚世界は,一般に花瓶,壺,コーヒーカップ,さらにそれら置かれている机など複数の視覚物体から構成されている.一般には個々の視覚物体ごとに視点を計算する前に,視覚物体の切り出しを行う必要がある. 本年度の研究では,視点の選択と統合を主目的とするため,視覚物体の切り出しはすでに終わっていると仮定した.視点の選択を行うアルゴリズムとしてvazquezらによって提案された視点エントロピーをもちい,この視点エントロピーを最大化する視点を選択する手法を用いた.複数物体で個々に決定された視点にできるだけ保ちながら,近くの物体の視点の差がそれほど大きくならように視点を微調整して,三次元構想が破綻しないように視点をスムーズに接続することを考えた.各視点を連続的に補完するために全ての格子状の点に視点を定義し,オブジェクトが存在しない点での視点は,エネルギー関数Eの最小化のアルゴリズムを用いて空間的に滑らかにつなぐ.エネルギー関数E=E1+λE2は,視点選択で求めた視点と接続した視点の差を小さくする項E1と,となりあった視点の差が小さくなるE2項の和で定義されている.正則化パラメータλはこれら二つの量の重みを制御する.これは画像修復のマルコフランダムフィールド(MRF)モデルでよく使われているスムージングの手法の拡張である.ここで得られた研究成果をLecture Notes in Computer Scienceで発表した. 次に視覚物体の力出しの自動化を行うために,画像のセグメンテーションと修復を同時に行う結合MRFモデルを提案し,変分法を用いた新たなアルゴリズムを提案した
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