研究課題/領域番号 |
22650046
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
黒川 弘章 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 准教授 (20308282)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 感性 / 視覚 / 画像 |
研究概要 |
本研究では「感性を再現する視覚デバイス」を実現する。本研究では視覚情報による感性情報処理を、生体モデルを用いたアプローチにより実現し、最終的に提案システムをハードウェアに実装し、デバイスとして機能させることを目的とする。平成22年度までに、ベースとなるシステムであるPCNNを用いた画像認識に関するアプリケーションとGAを用いたPCNNのパラメータ最適化についての実績を残してきた。これにより、研究計画の「1:PCNNの数値実験環境の確立」「2:画像処理問題への適用」「3:PCNNの学習方法の開発」に関して当初の計画を満たす成果を得ている。平成23年度にはこれに加えて、主に画像内容検索への応用を示した。これは研究計画における「4:PCNNを用いた感性画像情報処理システムの構築」に関連した成果である。この成果の一部は国際会議論文1件、国内研究会3件の発表を通して対外的に発表されている。 これらの結果を通してPCNNをベースとした感性画像情報処理システムの提案が行われた。現状で得られている結果はシミュレーションによる動作確認にとどまっているが、これに感性情報処理システムとしての客観的な評価が加われば「4:PCNNを用いた感性画像情報処理システムの構築」について一定の結論が得られる見込みである。 また、「5:ハードウェアへの実装」に関しても当初想定していた規模の回路の実装まで進んでいる。周辺機器とのデータのやり取りに関して未完成な部分が残っているため、24年度においてこの問題の解決に取り組んだ上で動作確認を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は研究計画中の「4:PCNNを用いた感性画像情報処理システムの構築」を中心に、いくつかの試行錯誤を経て、一定の成果を得た。一部「5:ハードウェアへの実装」において未完成な部分があるものの、24年度の完了に向けて順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は「4:PCNNを用いた感性画像情報処理システムの構築」について、質感や温度感などの具体的な要素を挙げて提案システムの評価を行い、妥当性を示す。また、「5:ハードウェアへの実装」に向けて未完成部分の実装を完了させる。未完成部分は、具体的には周辺機器とのデータのやり取りなどの技術的な問題であるため、FPGAを用いた実装に関する情報収集を進めることにより解決する。
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