患者およびその家族が必要とする情報に、(1)インフォームドコンセント時に理解できなかった診断内容および治療法等を補完するための情報、(2)セカンドオピニオンを適切に得るための手順と情報源、(3)処方された薬の関連情報及び副作用情報、(4)予後生活の仕方(食事法・リハビリ法)など日常生活に関連する医薬情報などがある。その際、最も重要な手がかりとなるのは、世の中にどのような情報源があり、どうすれば情報が入手できるのかという「手段としての情報」である。 平成22年度は、その「手段としての情報」を総合的に収集するべく、患者及びその家族、あるいは医療従事者を対象としたインタビュー調査・アンケート調査を行い、データを収集した。また、実際の闘病のプロセスと患者及びその家族の心理状態が記録された闘病記等を収集し、その内容分析を行った。医薬情報を入手するためにどのような不都合を抱えているのか、また逆に、医療従事者から患者に知ってほしい情報・知識とは何かについて、(1)医薬関連データベースの利用が一般的でないこと、(2)患者およびその家族には追体験可能な情報源を欲していること、(3)患者会でのインフォーマルコミュニケーションの必要性等が明らかにされた。なお、現在も医療従事者、患者・家族に対するインタビュー調査・アンケート調査は継続中である。
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