• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

繰り返し計算を必要としない平滑化パラメータ選択法の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 22650058
研究機関広島大学

研究代表者

柳原 宏和  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70342615)

キーワード平滑化 / モデル選択 / 情報量基準 / 一般化リッジ回帰
研究概要

ノンパラメトリック回帰モデルにおいて,平滑化パラメータは推定曲線の局所変動の程度を制御する重要なパラメータである.パラメータの値が変われば推定曲線も大きく変化してしまうため,平滑化パラメータの最適化は重要問題であると言える.最適な平滑化パラメータは,C_p,CV,GCV規準といった情報量規準の最小化により選択されるのが一般的である.しかし,情報量規準を最小にする解は陽な形で求めることができず,最適な平滑化パラメータを得るためには計算機による繰り返し計算が必要となる.本研究の目的は,平滑化パラメータを追加しC_p規準を最小にする解が一意に求められるようにすることで繰り返し計算を必要としない平滑化パラメータの最適化法を考え平滑化法の簡便化をはかり,簡便な平滑化法をさまざまな統計モデルに適応させることにある.昨年の研究成果において,一般化リッジ回帰を適用することによりC_p規準を最小にする平滑化パラメータを陽な形で求めることができることをStatistics and Computingに発表した.ところが,一般化加法モデル(Generalized Additive Model:GAM)や動径基底関数ネットワークに基づくノンパラメトリック回帰モデル等の説明変数が複数あるモデルの場合,C_p規準を用いるために必要な誤差の分散の一致推定量の構成が難しくなる.そのため,分散の推定量を必要としない情報量規準を用いた方法が必要となる.研究発表,柳原において,そのような分散の推定量を必要としないGCV規準においても,GCV規準を最小にする平滑化パラメータを陽な形で求めることができることを報告した.この結果により,GAMや動径基底関数ネットワークに基づくノンパラメトリック回帰モデルに簡便な平滑化手法を適用できることになる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

部分的一般化リッジ回帰において,GGV規準を最小にするリッジパラメータを陽に求めることができることがわかった.その結果を利用することで,現在までに当初予定していた繰り返し計算を必要としない平滑化パラメータの最適化法をGAMへ適用することが可能であることがわかったから.

今後の研究の推進方策

本研究課題の目的は,繰り返し計算を必要としない平滑化パラメータの最適化法を考え平滑化法の簡便化をはかり,簡便な平滑化法をさまざまな統計モデルに適応させることにある.繰り返し計算を必要としない平滑化法をGAMや動径基底関数ネットワークを用いたノンパラメトリック回帰モデルへ適用することが,部分的一般化リッジ回帰においてGCV規準を最小にするリッジパラメータが陽に求まることを用いることで可能であることがわかった.今後,実際に本研究課題で提案する手法をGAMなどに適用した場合の精度を数値的に調べる必要がある.また,GAMや動径基底関数ネットワークを用いたノンパラメトリック回帰モデル以外への適用も考える必要ある.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Iterative bias-correction of the cross-validation criterion2012

    • 著者名/発表者名
      Yanagihara, H., Fujisawa, H.
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Statistics

      巻: 39 ページ: 116-130

    • DOI

      10.1111/j.1467-9469.2011.00754.x

    • 査読あり
  • [学会発表] An explicit solution to minimization problem for GCV in generalized ridge regression2011

    • 著者名/発表者名
      柳原宏和
    • 学会等名
      2011年度統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-09-06
  • [学会発表] A comparison of three estimators in GMANOVA model when the sample size is fewer than the dimension2011

    • 著者名/発表者名
      Yanagihara, H., Srivastava, M.S.
    • 学会等名
      The 9th Tartu Conference on Multivariate Statistics & The 20th International Workshop on Matrices and Statistics
    • 発表場所
      Tartu University, Estonia(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-29
  • [学会発表] 情報量規準とバイアス補正2011

    • 著者名/発表者名
      柳原宏和
    • 学会等名
      応用統計学会2011年度会
    • 発表場所
      大阪大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-04
  • [図書] Rにより環境データの統計分析2012

    • 著者名/発表者名
      吉本敦・加茂憲一・柳原宏和
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      朝倉出版

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi