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2010 年度 実績報告書

心筋細胞の再プログラミングによるバイオペースメーカーの作製

研究課題

研究課題/領域番号 22650082
研究機関久留米大学

研究代表者

鷹野 誠  久留米大学, 医学部, 教授 (30236252)

研究分担者 伊藤 政之  久留米大学, 医学部, 助教 (20442535)
キーワード生理学 / 発現制御 / ペースメーカー / Hcn4
研究概要

超高齢化社会を迎え、完全房室ブロックや洞機能不全症候群などの徐脈性不整脈に罹患する患者は増加の一途をたどっている。そこで新たな治療戦略として、心臓ペースメーカー細胞に特異的に発現する転写因子を固有心筋細胞に遺伝子導入し、固有心筋細胞をペースメーカー細胞へと直接再プログラミングし、人工的なバイオペースメーカー細胞を作成することを試みた。
まず50匹のC57BL6マウスから洞房結節を切除し、total RNAを採取した。これをテンプレートとしてssDNAを作成し、アジレント社のマイクロアレイを使用して遺伝子の発現プロファイルを右心房筋と比較した。その結果、洞房結節で発現量の高い転写因子28種、低い転写因子16種を同定した。このうち特に発現量の高いもの5種類(X,shox2,Isl1,Tbx3,Tbx18)のC端に蛍光蛋白質を融合したcDNAを作成した。これをアデノウイルスベクターにより培養心筋に遺伝子導入し,洞房結節のマーカー遺伝子であるHcn4の発現量変化を測定した。逆に洞房結節で発現量の低いNkx2.5およびNRSFに関しては、siRNAの遺伝子導入により遺伝子ノックダウンを行った。その結果、NRSFのノックダウンに加えてShox2もしくは転写因子Xを過剰発現した場合のみ、Hcn4の発現量が増加した。
遺伝子ノックダウンについてはoff-target効果を除外するために、NRSFコンディショナルノックアウトマウスを入手し、現在実験を継続中である。予備実験では上記の結果を支持するデータが得られている。さらに大規模かつ高効率のスクリーニングを実施するために、Hcn4遺伝子座へluciferase cDNAをノックインしたマウスを作成中である。このマウスを使って繊維芽細胞などからも再プログラミングを実施し、プレートリーダーを使ってHcn4発現細胞をスクリーニングする予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Arrhythmogenic coupling between the Na^+-Ca^<2+> exchanger and inositol 1,4,5-triphosphate receptor in rat pulmonary vein cardiomyocytes2012

    • 著者名/発表者名
      Okamoto Y
    • 雑誌名

      J Mol Cell Cardiol

      巻: 52(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pathophysiological remodeling of mouse cardiac myocytes expressing dominant negative mutant of neuron restrictive silencing factor2010

    • 著者名/発表者名
      Takano M
    • 雑誌名

      Circ J

      巻: 74 ページ: 2712-2719

    • 査読あり
  • [学会発表] Pathophysiological remodeling of cardiac myocyte induced by cardiac specific inhibition of NRSF function2011

    • 著者名/発表者名
      Takano M
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会
    • 発表場所
      (紙上発表)
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] Norepinephrine induced automaticity in rat pulmonary vein cardiomyocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Okamoto Y
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会
    • 発表場所
      (紙上発表)
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] Inhibition of HCN overexpressed in failing heart of dilated cardiomyopathy mouse model by ivabradine prevents sudden arrhythmic death2011

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara Y
    • 学会等名
      第28回日本心電学会学術集会
    • 発表場所
      ヒルトン福岡シーホーク(福岡市)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] ANP・BNP遺伝子発現調節因子NRSFの機能阻害による心筋症モデルマウスにおける不整脈発症・突然死に対するHCNチャネル阻害の効果2011

    • 著者名/発表者名
      桑原佳宏
    • 学会等名
      第84回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(神戸市)
    • 年月日
      2011-04-23
  • [学会発表] Transcriptional mechanism of cardiac pacemaker specific channel HCN42010

    • 著者名/発表者名
      Takano M
    • 学会等名
      第87回日本生理学会大会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(盛岡市)
    • 年月日
      2010-05-19

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公開日: 2013-06-26  

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