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2011 年度 実績報告書

大脳感覚シナプス入力の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 22650083
研究機関東京大学

研究代表者

喜多村 和郎  東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60423159)

キーワードニューロン / シナプス / 2光子イメージング / 体性感覚 / シナプス統合 / 樹状突起
研究概要

マウス大脳バレル皮質錐体細胞において、2光子イメージングを用いたin vivoホールセル記録とカルシウムイメージングを行い、個々の感覚シナプス入力、すなわち洞毛からの感覚入力が、細胞内および樹状突起内においてどのように分布しているのかを直接可視化する。感覚入力に対して、個々のシナプス入力がどのような空間分布で入力しているかについての解析を行った。大脳体性感覚野バレル皮質の第2/3層錐体細胞からホールセル記録を行い、基底樹状突起および尖樹状突起においてカルシウムイメージングにより単一スパインレベルのシナプス入力を可視化し、自発活動および洞毛刺激に対する応答を記録した。活動するスパインを同一細胞内の様々な樹状突起で観察したところ、異なる樹状突起の間で入力頻度にばらつきがあり、多くの入力を受けている樹状突起分枝とそうでないものがあることが明らかとなった。また、個々のスパインレベルで見ると、約80%の入力がわずか25%のスパインに限局している事がわかった。すなわち、感覚情報の多くは限られたスパインにのみ入力しているということを示唆する。さらに、これらの入力分布を詳細に解析したところ、空間的に近傍に位置するスパインは同期した入力を受ける確率が高いことが分かった。このことは、共通入力を受けているかお互いにシナプス結合を作って局所回路を形成しているニューロン集団は、受け手側ニューロンの樹状突起上で近い位置に入力する傾向があるということであり、神経回路が1シナプスのレベルで精緻に配線されていることを示す直接の証拠である。近傍のスパインでは、シナプス可塑性が同期して起こりやすいというスライス標本での先行研究とも一致する結果であり、興味深い。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 小脳プルキンエ細胞樹状突起活動のin vivoイメージング2012

    • 著者名/発表者名
      喜多村和郎, 橋本浩一, 狩野方伸
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 63 ページ: 26-33

  • [雑誌論文] Locally synchronized synaptic inputs2012

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, N., Kitamura, K., Matsuo, N., Mayford, M., Kano, M., Matsuki, N. & Ikegaya, Y
    • 雑誌名

      Science

      巻: 335 ページ: 353-356

    • DOI

      DOI:10.1126/science.1210362

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dendritic calcium signaling triggered by spontaneous and sensory-evoked climbing fiber input to cerebellar Purkinje cells in vivo2011

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, K. & Hausser, M
    • 雑誌名

      J. Neurosci

      巻: 31 ページ: 10847-10858

    • DOI

      DOI:10.1523/JNEUROSCI.2525-10.2011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vivo two-photon uncaging of glutamate revealing the structure-function relationships of dendritic spines in the neocortex of adult mice2011

    • 著者名/発表者名
      Noguchi, J., Nagaoka, A., Watanabe, S., Ellis-Davies, G. C., Kitamura, K., Kano, M., Matsuzaki, M. & Kasai, H.
    • 雑誌名

      J. Physiol

      巻: 589 ページ: 2447-2457

    • DOI

      DOI:10.1113/jphysiol.2011.207100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Postsynaptic P/Q-type Ca^<2+> channel in Purkinje cell mediates synaptic competition and elimination in developing cerebellum2011

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto, K., Tsujita, M., Miyazaki, T., Kitamura, K., Yamazaki, M., Shin, H.-S., Watanabe, M., Sakimura, K., Kano M
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA

      巻: 108 ページ: 9987-9992

    • DOI

      10.1073/pnas.1101488108

    • 査読あり
  • [学会発表] Two-photon imaging of neuronal population activities in cerebellar cortex2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Kitamura
    • 学会等名
      分子生物学会(ワークショップ)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] Heterogeneous organization of sensory synaptic inputs in the mouse barrel cortex2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Kitamura
    • 学会等名
      生理研国際研究集会
    • 発表場所
      岡崎カンファレンスセンター(愛知県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-09
  • [学会発表] Desynchronization of cerebellar Purkinje cell population activity during postnatal development2011

    • 著者名/発表者名
      Jean-Marc Good, Kazuo Kitamura, Masanobu Kano
    • 学会等名
      Neuro2011
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-14
  • [学会発表] Enhanced synchrony of climbing fiber-induced Ca2+ signaling in cerebellar Purkinje cells caused by elevated synchronous activity of inferior olivary neurons in GluD2 (GluRδ2) knockout mouse2011

    • 著者名/発表者名
      Miki Hashizume, Kazuo, Kitamura, Kenji Sakimura, Masanobu Kano
    • 学会等名
      Neuro2011
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-14
  • [学会発表] Two-photon imaging of Purkinje cell dendritic activity in vivo2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Kitamura
    • 学会等名
      IBRO World Congress
    • 発表場所
      Florence, Italy(シンポジウム)
    • 年月日
      2011-07-16
  • [図書] 第12章in vivoイメージングパッチ法(最新パッチクランプ実験技術法、岡田泰伸編)2011

    • 著者名/発表者名
      喜多村和郎
    • 総ページ数
      121-128
    • 出版者
      吉岡書店

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公開日: 2013-06-26  

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