本年度は提出した研究計画書に基づいて以下の3点を重点的に研究した。 (1) ラット用コイルの設計と作成:ヒトを対象とした水のケミカルシフトイメージング(CSI)のピークが分裂する原因の一つとして、シムの問題に焦点をおき、小動物で検証するためにラット用コイルを設計し、作成は外部に発注した。 (2) 麻酔下のラットの1次元磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)ならびにケミカルシフトイメージングを測定し、上記の水ピークのケミカルシフトの分裂の原因の一つがシムの問題であることを突き止めた。 (3) さらに、ヒトMRSおよびCSIを行いシム調整により水ピークのケミカルシフトの分裂がかなりの部分で抑制されることを確認した。しかし、現状でシムの調整がまだ十分でないか、あるいは、シム以外のなんらかの要因のためか完全に水ピークの分裂が抑えきれないことも分かった。
|