本研究では、in vivo Western技術を実現するためにさけては通れない基礎技術を完成させるため当初の予定を変更して以下の2つのテーマを実施した。この技術の完成なしには、他の技術開発は進めることが困難である テーマ1)体内非侵襲解析用特殊飼料すなわちイメージング飼料の開発 テーマ2)細胞内に送り込んだ抗体タンパク質の分解調節によって特異性を出す技術開発 今年度は、昨年度までの成果を応用し、in vivoにおけるイメージング技術開発を集中的に進めた。特に、飼料中に含まれる蛍光物質を除いて無蛍光にすることを試みたが、部分的にしか成功していなかったので、今年度はより徹底した成分の分析と、その混入を防ぐ手法の開発までを試みた。その結果、昨年までよりもより広い近赤外領域全般にわたって無蛍光で、かつマウスの健康にも問題を起こさない特殊飼料を開発することができた。この飼料を与えたマウスを用いると、より深部まで非侵襲に蛍光観察できることも確認できた。 蛍光プローブタンパク質が本当に細胞内に移行し、分解制御によるコントロールが可能かどうかをモニターするため、すでに開発済みの分解制御システムTetデグラトンプローブに改変することを試みた。これならば薬剤の投与により簡便に分解制御を人工的に引き起こせるため、in vivoでの体内挙動を追跡することが行いやすい。このシステムを構築し、薬剤の有無によるイメージングデータと、解剖後の分布データを用いて、体内動態とそれが性格にイメージングできている。
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