研究概要 |
1)マウス精子におけるSry遺伝子発現の確認 基礎研究の第一として、マウスの精子でSry遺伝子発現の有無について、RT-PCRにより検討した。 Sry遺伝子は単一のエキソンであるため、プライマーをエキソン内に設計したcDNA検出用、そしてSry遺伝子開始コドンの上流からエキソン内を挟むgenomic DNA用の2セットのPCRによりマウス精子のSry遺伝子発現を確認した。その結果、マウスの精子でもヒト(Modiら,2005)と同様にSry遺伝子を発現している事が明らかになった。 2)蛍光基で標識されたSRY抗体とマウス精子の結合に関する検討 次に、1)でSry遺伝子が精子で発現していることの確認結果と、Modiら(2005)が示したSRY蛋白はヒト精子の体部で産生されている結果を総合して、マウス精子の体部でもSRY蛋白を産生していると仮定した。蛍光基Cy3でSRY抗体を標識し、マウス精子との結合の有無を視覚的に検討した結果、SRY蛋白が精子体部に産生されていることを確認した。 以上の結果から、Cy3を磁気ビーズに置き換えることにより、磁力を用いてのX精子とY精子の分離が可能であることが期待された。
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