研究概要 |
昨年度に行った凸型構造物に続いて、大腸の陰窩様構造を模して凹型のシリコンウェハーを作成し、Paryleneを真空蒸着によって生膜した。基底膜様構造物であるParyleneに物質交換のための小孔をあける工夫であるが、微粒子の電着による凹凸面の形成を試みたが、均一に付着する条件を見いだせなかったため、代替手段として高エネルギー粒子線ビームによる多効果を検討した。しかし、角度的に偏りなく多孔化することが難しく、サイクロトロンセンターも被災したため実現できなかった。 Paryleneを蒸着した凹型構造物上に小腸上皮細胞株IEC-6を培養すると陰窩底面および表面には細胞が密に増殖したが、陥凹部側面の観察は十分できなかった。 そこで、発想を変換し凹凸様構造にPoly(lactic-co-glycolic acid)(PLGA)マイクロ(ナノ)粒子を付着させまず平滑筋細胞を培養し平滑筋の産生する基底膜用物質の上に上皮細胞を生育させることとした。PLGAは生分解性であることから、加水分解されるはずである。ところが、平滑筋細胞株CCD-18の培養中に震災が発生してしまった。 PLGAマイクロスフェアは,エマルション溶媒拡散法により作製した。PLGAおよび有機溶剤からなる有機相と薬剤の水溶液を混和し,乳化することでWater-in-Oilエマルションとし,さらにこれを1%PVAと混和後乳化してWater-in-Oil-in-Waterエマルションとした。このエマルションを一晩撹拌して有機溶剤を蒸発させた後,マイクロスフェア表面に付着した薬剤などを洗浄するために,蒸留水やリン酸緩衝生理食塩水に分散し遠心するという操作を数回行った。作製した粒子径、Z電位を粒子計ELSZ-2(大塚電子)にて測定した。
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