細胞の固定化が可能なポリマーハイドロゲルの創製を、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を細胞親和性ユニット、ビニルフェロセンを電子メディエーターユニット、さらにビニルフェニルボロン酸を架橋ユニットとする水溶性ポリマー(PMFB)と、このポリマーと可逆的分子間反応を起こす水溶性ポリマーとして、ポリビニルアルコール(PVA)を用いて実現した。このゲル電子移動反応について、電気化学的手法により検討したところ、有効に電子伝達を起こす事を確認した。このゲルに電子産生菌であるシュワネラ菌(Shewanella oneidensis MR-1)を、その活性を維持しながら固定化することができた。シュワネラ菌は、乳糖を与える事により電子を生成し、これを電極で捉える事に成功した。この事は、新しい細胞ベース起電デバイスの開発に結実する。
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