研究課題
細胞表面のインテグリンレセプターと相互作用可能な表面を有するナノファイバーを電界紡糸あるいは自己組織化技術を用いて調整し、モデル人工ECMの合成を行う。蛍光ラベルしたモデルECMを用いて、角膜実質細胞の平板およびゲル培養を行う。この平板および3次元ゲル培養に対して、角膜用に改良を加えるバイオリアクターを用いてストレスを与えるとともに、角膜発生初期に見られる生体分子の変化を再現する環境を整えることで、細胞を鋳型とした構造形成が起こるか、また、ナノファイバーをベースとした無定形3次元ゲルマトリクスからの配向構造の出現が観察されるかを共焦点レーザー顕微鏡などを用いて詳細に検討することで、角膜実質組織構造構築に及ぼす応力の果たす役割を明確にするとともに、角膜実質再生に対する基礎的知見を集積する。本年度は、人工ECMモデルとしてのナノ繊維の合成を行った。また、PDMS細胞培養基材上で家兎から採取した角膜実質細胞を培養し、2次元1軸引っ張り付加を与えられる培養モデルを構築した。この培養システムを用いて、引っ張り刺激を受ける細胞の応答を検討した結果、これまでに他の研究で示されているように2次元の引っ張りに対して角膜実質細胞も一定の方向を向いた配列構造をとり、力に応答することが判明した。次年度に向けた予備実験として角膜実質細胞とに高分子電解質からなるナノファイバーの短繊維を一定条件のもと混合し培養を行うと細胞-ナノファイバーの集合体形成を認め、数日間の培養では細胞生存、高次構造体の維持が確認された。次年度において、類似の系を用いて力学刺激を加えながら長期培養を行う。
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