研究課題
脊髄小脳変性症(SCD)患者の運動機能改善の効果を高める有効なリハ訓練法は確立されておらず、現在、脊髄小脳系以外の機能を保つことが優先される。その理由として、SCDは変性疾患であるために、損なわれていく運動機能を回復させるリハ訓練方法がない為と考えられる。そこで申請者は、SCD患者の特異的な行動と類似する行動を示す疾患モデルマウスを用い、日常的にSCD患者に行っている歩行訓練、下肢重錘負荷、膝装具、バンテージ処方などのリハを、マウスの体躯に合わせた模擬リハ訓練として行うことを考えた。すなわち訓練中の行動や運動後の改善を観察し、SCD患者に対するリハ訓練が有効であるかどうかを動物実験で評価することにある。その結果から、SCD患者に対し、より効果的な訓練あるいは不必要な訓練を解析し、SCD患者の運動機能障害を遅らせるプログラムの構築を目指し、QOL向上を図りたい。なお、対象のマウスには小脳プルキンエ細胞が脱落し運動失調を示す小脳変性マウスB6-wob^<t1.2)>を用いる。以上を目的として、22年度は、当該マウスの24時間行動を監視モニター付ランニングホイールで測定し、一方回転ゲージを用い1日3m/分を180分運動負荷を与え33日目における、ロータロットにおける平行感覚と協調運動を観察し、非運動群と比較した。その結果、運動負荷は、当該マウスの協調運動の改善を示唆した。以上の知見は、当該マウスのscdに類似する、震えなどの歩行の改善に一定の運動負荷が必要と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
Am.J.Phys.Med.Rehabil.
巻: 89(2) ページ: 107-114
Proc., Jpn., Acad., Ser.B
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http://www.fujita-hu.ac.jp