研究課題/領域番号 |
22650133
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
河村 顕治 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40278974)
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研究分担者 |
加納 良男 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70116200)
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キーワード | 温熱刺激 / 電気刺激 / 培養神経細胞 / 神経再生 / 変形性膝関節症 / 物理療法 / リハビリテーション / 疼痛 |
研究概要 |
PC12m3細胞を利用して温熱と電気刺激併用効果の最適な条件を求めた結果、100mA以下の電流を40℃で15分通電すれば良好な神経突起形成が認められることが判明した。そこで、温熱と電気刺激併用による新しい物理療法を変形性膝関節症患者に行い、その効果を検証した。対象は整形外科外来を受診し変形性膝関節症と診断された患者33人(男性10人、女性23人)である。被験者の年齢は54歳から91歳(75.8±7.7歳)であった。被験者に対し週3回の頻度で1回15分の温熱と電気刺激併用の物理療法を行った。使用した機器はAUTO Tens PRO(HOMERION)であり、水を含ませた温熱導子を43℃まで温め、電気刺激を行った。この治療を1ヶ月間継続して治療効果の判定を行った。評価項目としては日本整形外科学会OA膝治療成績判定基準(JOA score)、変形性膝関節症患者機能評価尺度;JKOM(Japanese Knee Osteoarthritis Measure)、visual analogue scale(VAS)を使用した。温熱と電気刺激併用での効果は、痛みを生じる末梢神経修復の指標と考えられるVASによる自覚的疼痛の評価において処置前5.31±1.9が1ヶ月経過後には4.20±2.1に減少した。温熱と電気刺激の併用によって直接神経細胞に作用して末梢神経の修復再生メカニズムを引き出し変形性膝関節症の痛みを改善することができると考えられる。
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