研究課題/領域番号 |
22650135
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 敏明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (40248670)
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研究分担者 |
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70002102)
泉 隆 東海大学, 生物理工学部・生体機能科学科, 教授 (80193374)
宮坂 智哉 植草学園大学, 保健医療学部, 准教授 (10404758)
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キーワード | 視覚認知 / 移動支援 / バリアフリー / 3次元視覚情報 / 福祉工学 |
研究概要 |
脳卒中などによる脳障害では、空間の認知が困難になる半側空間無視などの視空間障害が起こり、患者の日常生活活動(ADL)を著しく後退せしめる原因でもあり、早急に解決すべき重要課題である。本件では、空間無視など視覚認知障碍者のために、歩行動作および車いす操作などより動的条件での3次元視覚情報バリアフリー機器の基礎研究を行う。平成22年度は、下記、4課題を遂行した。(1)健常人および患者に違和感の少ない現実に近いHMDによる3次元的視覚呈示として奥行き感を維持する3次元HMDを製作した。(2)空間無視を有する脳血管患者数名に関して、HMDによる視覚情報システムの有効性を歩行、車いす操作において検討し、視覚呈示、音声等の注意喚起の有効製を確認した。(3)歩行、車いす操作における動的3次元的条件下での無視検査が行えるHMDによる検査・訓練のため、ビデオシースルータイプHMDを用い動的条件下でも注意喚起が可能なシステムを構築した。さらに、4課題目として、歩行、車いす移動でのHMDにより注意喚起を促すため、まず、歩行時の注意喚起システムの構成要素である位置計測センサシステムを構築し、本センサを被験者に装着して動作確認を実施した。位置計測センサは3軸加速度センサ、3軸角速度センサを搭載した無線子機モジュールおよび3軸加速度、3軸加速度のデータを受信する無線親機モジュールを構築した。予備実験として、被験者20歳から22歳の健常成人5名とし頭部上にセンサを設置固定し、直線距離10mのテストコースを設定した。分析項目として、3軸加速度、3軸加速度の計6軸のデータを、パーソナルコンピュータで記録し保存した。結果として、再現性の高い、加速度および角速度データを得た。これにより、来年度は本センサシステムとHMDシステムの統合を行い、健常者、障碍者を被験者として動的条件下で計測分析を実施する。以上、本年度研究目標は概ね達成された。
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