研究概要 |
本年度はまず5月に研究会を開催し,今年度の研究実施計画の詳細に関して打ち合わせを行った.そして,これまでに蓄積し,利用可能である集団ダイナミクスのデータ(サッカーのゲームデータ)を用いて,その可視化を行うこととした. 可視化の手法は,個人の位置データに基づき,圧場を考慮する方法を採用し,その圧場の大きさをパラメータとして変化させていったときに,2チームの境界線が生じる閾値を決定した.これによって,この境界線とボールのゴール方向への動きから,どういったときにボールがゴール方向へ移動するのかを検討していった.この結果に関しては学会発表を行い,最優秀ポスター賞を受賞した.現在,選手位置のサロゲートデータを用いた比較を行い,その結果を論文にまとめているところである. また,可聴化については,対人ダイナミクスを取り上げ,剣道の試合データを用いて,二者間の間合い(二者間距離)を音に変換する方法を考案し,その音によって間合いが推定でき,技能レベルが判別可能であるかという心理実験を行う準備をした.ただ,二者間距離の音へ変換方法は線形変換にするか非線形変換にするか,音量だけにあるいは音程も加えるかなどその方法などさらなる検討を行っている. さらに,この音変換と合わせて,二者の位置情報を光点で可視化し,音情報と視覚情報のクロス簿ダルの場合と,どちらか一つの情報だけを用いる場合とでその判別力が異なるか否かの実験を計画中である.
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