研究課題/領域番号 |
22650148
|
研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
田口 信教 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (10171597)
|
研究分担者 |
田中 孝夫 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (60274867)
荻田 太 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134)
|
キーワード | 一流競泳選手 / 代謝的要因 / 力学的要因 / 年間トレーニング / 泳パフォーマンス / 推進パワー |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は、年間を通じ、一流競泳選手の代謝(体力)的・力学(技術)的指標がどのように変化し、それが泳パフォーマンスの変化とどのように関係しているかを明らかにすることであった。 【方法】被検者は、全国大会、あるいは国際大会への出場経験を持つ競泳選手18名(男子9名、女子9名)であった。測定項目は、最大酸素摂取量、スイミングエコノミー、最大血中乳酸濃度、OBLAにおける泳速度(V@OBLA)、最大推進パワー、泳速-抵抗関係(抵抗係数、抵抗指数)とし、これらの指標をトレーニング内容の異なる3期にわたって測定した。また、各期毎に200mおよびスプリント全力泳記録を測定し、記録の変化と各指標の変化との関連性について検討した。 【結果及び考察】最大酸素摂取量、最大血中乳酸濃度等の代謝的指標については、被検者がすでに高度に鍛錬されていたためか、年間を通して有意な変化はなんら認められなかった。力学的指標については、質量鍛錬期(第1期)から量的鍛錬期(第3期)にかけて、一定泳速時の抵抗値の有意な低下が認められた。この低下は、抵抗指数に変化がなかったことから、抵抗係数の低下にのみ起因するものであった。しかしながら、この抵抗の低下と泳パフォーマンスの変化との関係を見てみると、必ずしも有意な関係は認められなかった。一方、最大推進パワー、最大推進力の変化率とスプリント全力泳の変化率との間には有意な正の相関が認められた。以上の結果より、一流選手では、年間を通じて体力的指標には顕著な変化が認められないこと、およびスプリント泳パフォーマンスの向上は、最大推進パワーの向上が密に関係していることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度に掲げた研究計画は順調に実施され、結果も得られた。計画以上の成果が得られるまでには至らなかったが、現在のところ、24年度の研究計画実施に向けて、なんら問題はない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、24年度の計画に則って、粛々と進める予定である。ただし、9月までは選手、特に一流選手は大事なシーズントレーニングのため、選手を長時間拘束できないであろうから、それまではプロトコール確立のためのプレテストなどを行い、10月以降実験を進める予定である。 現在のところ、実験装置、設備、消耗品等に不備はなく、計画通り実験遂行可能な状況であるため、計画変更や問題点への対応策は考えていない。
|